小城市の北部にある円通寺(えんつうじ)です。
目次
小城市で一番古いお寺
もとは650年(白雉元年)に、筑後の郡司だった三池氏により三箇寺として創健された、小城市では最古の寺院です。
その後は名前が円通寺となり、鎌倉時代には九州千葉氏の菩提寺として、千葉宗胤(ちばむねたね)によって鎌倉の建長寺をまねてつくられた七堂伽藍がある巨大なお寺となりました。
臨済宗南禅寺派で、京都の南禅寺、鎌倉の建長寺と並ぶ「三大興国禅寺」のひとつに数えられるお寺です。
お寺の近くにある大門堂(だいもんどう)
大門堂という和菓子店です。
こちらは小城名物の「大門おこし」で有名で、名前にもあるようにお店の近くにはかつて円通寺の大門がありました。
横の小道を進んだところには、千葉宗胤夫妻のお墓があります。
近くにある石柱には「圓通寺境内」と書かれ、そこから北に向かって約600mほど進んだところに今の円通寺があるので、ここから北のエリアが全てかつて円通寺の境内だったことが分かります。
戦国時代の混乱や明治時代の廃仏毀釈で規模が縮小し、お寺は現在の大きさとなっています。
現在の円通寺
境内の入り口には、両側に仁王像が鎮座する山門があります。
仁王像は残念ながら2体ともかなり痛みが激しく、腕がないものも。
参道の途中にはガラス張りの展示室があり、本尊の薬師如来像などを見学できます。
今では基壇のみとなった勅使門の跡を見ながら進むと、本堂に到着します。
本堂の前には円形の島が浮かんだ池があり、その島の中には石仏や石の祠(ほこら)がある、お寺にしては珍しい光景が広がります。
本堂には迫力満点の持国天、多聞天があります。
こちらの四天王像は鎌倉期に運慶の流れをくむ仏師によって彫られたと伝わるもので、佐賀県重要文化財に指定されています。
また、お寺の裏手は千葉家の墓所が広がっています。
中にはカミナリが怖いお姫様のために囲いがあるお墓も、、、
まとめ
街中には今でも多くの仏教寺院が密集する佐賀県小城市。
江戸時代、小城鍋島藩の城下町として繁栄していた寺町の中にあり、日本三興国禅寺の1つに数えられる「円通寺」です。
DATA
- 名称:三間山 円通寺 えんつうじ
- 住所:佐賀県小城市小城町松尾3832
- 電話:0952-73-2694